2024.12.03
こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。
今回は思春期早発症と矯正治療についてのお話です。
成長期のお子さんの矯正治療にあたって、下の写真のような手のレントゲン写真をとり検査を行うことが多いです。
手根骨という手の付け根の骨や、手の指の骨の状態をみることにより、小児の発育を確認する方法が一般的であり、矯正歯科の分野でも非常に簡便で有効な方法です。
「なんで歯医者やのに手の写真とるのー?」と聞かれることがありますが、それは成長期の子供さんが矯正治療を行う場合には手根骨を利用し、発育や成長の確認を行うためなのです。
以下、日本内分泌学会HPから引用
思春期とは、子どもが徐々に大人の体に変化していく過程のことをいいます。女の子は10歳頃から、男の子は12歳頃から二次性徴と呼ばれる体の変化が起き、数年かけて大人の体になります。
思春期早発症とは、その名前の通り、通常の時期よりも早く思春期がはじまってしまう病気です。数か月や1年くらいであれば個人差の範囲ですが、 2~3年以上早くに思春期が開始すると、思春期早発症と呼ばれます。
思春期早発症で問題になることは
①早期に体が完成してしまうために、一時的に身長が伸びた後、小柄のままで身長が止まってしまう。
②幼い年齢で乳房・陰毛、月経などが出現するために、本人や周囲が戸惑う心理社会的問題が起きる。
③まれではあるが、脳などに思春期を進めてしまう原因になる病変がないかを確認する必要がある。
などが挙げられます。
矯正治療を開始するにあたって先述したとおり手の骨をとり骨年齢を診断し、実際の年齢である暦年齢との差を把握します。
歯科では思春期早発症の確定診断はできないため、そこで2~3年ほどのずれがあった場合は、内分泌科への受診をすすめることがあります。
暦年齢に比べて、骨年齢が進んでいる患者さんの場合も、歯の生え変わりが特段はやいかというとそういうわけではありません。
歯の生え変わりのスピードは体の成長とは関係なく個人差が大きいため、歯の生え変わり等をみる一般歯科でのレントゲン写真で思春期早発症を疑うことはほとんどありません。
歯並びに関しては、思春期早発症の場合、通常思春期に発現する下顎の成長加速現象が早期に出現することにより、骨格的な受け口の問題を早期に引き起こす可能性があるというような報告もありますが、骨格的な受け口は遺伝的な影響も強く、思春期早発症であるから必ずしも受け口になるとは限りません。
思春期早発症に限らず、その子の成長のスピードと骨格的な問題、歯の問題を総合的に判断し、適切な矯正治療時期や治療方法を検討する必要があります。
矯正歯科治療は基本的には自費診療ですが、厚生労働省が定めた特定の症状に限って健康保険が適用されます。
思春期早発症の矯正治療は保険適応とはなりません。
成長期のホルモン異常の問題として、成長ホルモン分泌不全性低身長症という病名がつくと、矯正治療も保険適応となります。
成長ホルモン分泌性低身長症という病名は歯科ではつけることはできないため、小児科や内分泌科といった医科での診断が必要となります。
また当院では保険適応となる矯正治療はできない施設であるため、大学病院への紹介となります。
※通院の問題等から、上記の病名がついたとしても健康保険は使用せず、自費で矯正治療を行う場合は当院で治療が可能です。
「なんとなく周りの子より成長はやいのかなぁ」
そんな気がしていても、病院にわざわざ行って相談するということが少ないようです。
女の子の場合、10歳6ヶ月未満で生理がきてしまい、これはさすがに早すぎるのではないかということでようやく医科へ受診するという流れがすごく多いようです。
生理が来る前であれば生理をこないように止めることで、早期に成長が止まってしまうことを予防できることもあるようですが、いったん生理が来てしまうと、できることが限られてくることもあるようです。(医科の先生によっても様々な見解があるようですので、詳しくは専門の先生へ確認してください。)
矯正歯科では歯並びを治すことはもちろんですが、成長に関してもアドバイスできることも多いです。
お子様の成長のことで何か気になることある場合は、歯並び相談の際にお伝えいただけると幸いです。
お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。
茨木だけでなく、吹田や箕面、高槻からもご来院いただいております。
みやの矯正・小児歯科クリニック
大阪府茨木市別院町4-15 別院町・掛谷第6ビル1F
みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木)
院長宮野 純一Junichi Miyano