インビザラインファーストを勧めない理由

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インビザラインファーストを勧めない理由

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インビザラインファーストを勧めない理由

インビザラインファーストを勧めない理由

こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。

昨今インビザラインが急速に普及している影響もあり、子供用のインビザラインであるインビザラインファーストに関する質問を多く受けるので、今回は当院がインビザラインファーストを勧めない理由についてお話したいと思います。

詳細は後述しますが、インターネットで「インビザラインファースト」を強くお勧めしている歯科医院を検索してみてください。ほとんどの歯科医院が、矯正専門歯科ではなくセラミック治療やインプラント治療も行う一般歯科だと思います。インビザラインファーストは一般歯科医が導入しやすい矯正ツールであるということをまずご理解いただけたらと思います。

 

インビザラインファーストとは

透明で薄いマウスピースを1日に20時間~22時間以上装着し、マウスピースを1週間毎など定期的に交換していく事で歯を並べていくのは成人のインビザラインと同様です。

歯列の拡大を行いながら1本1本排列することができ、成長期であるため顎の成長を利用しながら矯正治療を行うことが特徴の装置です。

 

インビザラインファーストのメリット

小児矯正で使用するインビザラインファーストは、大人の矯正治療に使用するインビザラインインビザラインと同じく

・取り外しが可能

・毎日つけるだけで簡単

・透明で他の人からわかりません

・口腔内カメラでスキャンするので粘土の型取りも不必要

・痛みもなく負担が少ない

・2,3か月に1回だけの通院で大丈夫

・世界中から集められたビッグデータをもとに、患者それぞれに最良なオーダーメイドのマウスピースを作製するため安心

といったようなメリットが謳われています。

 

インビザラインファーストを勧められる理由

①取り扱いの歯医者が多く、インビザラインファーストを勧められやすい

歯科医師向けのセミナーも非常に多く、インビザラインファーストを取り入れましょうと盛んに広告がなされています。

その影響もあり、今まで矯正治療に携わってなかった歯科医師がインビザラインファーストを取り入れているため患者さんとしてはインビザラインファーストを勧められやすいのです。

ワイヤー矯正などのインビザライン以外の矯正治療は治療技術の習得に時間がかかるため新規導入のハードルが高いです。手っ取り早く矯正治療を導入しようとおもうとインビザラインが簡便だと感じてしまうのだと思います。

 

②症例数が少ないとコスパの悪いインビザラインファースト

インビザラインファーストはアライン社が提供する矯正システムです。2025年も一部商品に値上げがあるようですが、マウスピースをいくつも作製する必要があるため非常にコストが高くなります。アライン社には年間の治療症例数によってプロバイダーとよばれるランク分けがなされます。このランク分けが上位になればなるほど発注コストが安くなるシステムです。当院のような小規模の歯医者では症例数が多くないため、最下層のランク分けとなってしまい一人一人の治療コストがかかりすぎてしまいます。ですので、やるのであればできるだけ数をこなし契約し製作コストを下げないと利益率が悪くなってしまうため、インビザラインファーストを取り扱う歯科医院ではどんどん新規の患者を取り入れていかなければならないのです。

 

③非常勤矯正医にとってはインビザラインファーストが管理がしやすい

インビザラインファーストは治療の根幹となるものがパソコンでの治療計画の作製となります。

従来の矯正治療であれば実際に口腔内に装着したり、口腔内で作業が必要となるため自分が手を動かさないといけませんでした。

それがインビザラインファーストではPCで治療計画をきちんと設定し、発注さえすればマウスピースを渡したり使い方を説明するのは矯正医である必要はなく、矯正医が出勤する必要すらないのです。

複数の歯科医院で矯正治療を行う非常勤矯正医にとってインビザラインファーストは、非常に使いやすく便利なシステムなのです。

 

④やらなくてもいい矯正治療を勧めている

100名の矯正相談を受けると、10名くらいは歯並びの問題が軽度であり場合によっては矯正治療の必要のない状態のこともあります。一見スペースがないように見えたり一時的に歯並びが悪くみえているだけで、生え変わりとともに勝手に治っていくことも多いです。

本来何もしなくても治るのに矯正治療を介入したことにより改善しましたと、症例写真を載せられるとさも矯正治療がすごかったかのように錯覚してしまうのです。

上記症例は、むし歯治療のみを行い定期検診にて経過観察していた症例です。

噛み合わせの問題も少なく、小児期からの矯正治療の介入は必要なく「この時期の矯正治療は過剰な医療」と判断していました。

もちろん自然に改善しきらないこともありますが、この症例のように自然ときれいな歯並びになることも多いです。

自宅での口腔トレーニングや夜間のマウスピースの使用なども一切しておりません。

矯正治療を何かちょっとしても悪くなることはないですし、ほっておいても治るのですからこのような症例を「矯正治療の成果」としてアピールされると、インビザラインファーストがすごく良い装置に感じてしまうのも無理はありません。

 

インビザラインファーストの弱点

①治療期間が短い

インビザラインファーストは治療期間が1年半と非常に短期間に設定されています。

乳歯と永久歯の生え変わりが終了するまでの長期的な管理が必要な小児矯正にとって、この治療期間の問題がかなりネックになります。

インビザラインファーストの治療自体に問題があるわけではなく、1年半を超えて治療が必要な場合は再度高額な治療費がかかってしまうという費用面での問題が最も大きいです。

ですので多くの歯科医院ではインビザラインファーストの治療期間である1年半が終えた後は、結局その他の矯正装置を使用していることが多いのです。

 

②親の管理が重要

インビザラインファーストは取り外しが自分でできるので、しっかり決められた時間の装着が必要となります。

またよくあるのが、マウスピースの順番を間違えたり、古いマウスピースに戻ってしまっていたりというトラブルがあります。

そういったことがないように保護者の管理が重要となります。

 

③生え変わりが起こると装置が合いにくい

インビザラインファーストは歯の形に合わせてぴったりと作製しているため、乳歯が揺れてくると装置が合いにくくなることがあります。

また揺れている乳歯が装置の着脱の際に揺らされ、引っ張られることで痛みを伴う場合があります。

適合不良がある程度許容できる場合はそのまま装置の使用を継続しますが、どんどん適合がわるくなるようであれば再スキャンと作り替えが必要となります。

 

 

当院がインビザラインファーストを勧めない理由

先述したインビザラインファーストの弱点が、当院がインビザラインファーストを勧めないそのまま理由となります。

私も小さい子を育てる親としては、勉強や食事、習い事の練習や宿題、色々と日常生活で管理しないといけないことが多いのに、さらにマウスピースの管理まで増えるのは非常に負担に感じます。

そういった面でも取り外しができる装置の方が強くデメリットを感じます。(これは私の主観です)

また生え変わりのある小児の場合、1年半という短期間で決着がつくことは少ないので、治療期間という面でも選択しにくくなります。

下記の症例も治療開始のベストな時期に治療を開始しました。(インビザラインファーストではありません)

まだ経過観察中ですが下の乳歯も生え変わっておらず12歳臼歯も生えてきていません。

適切な時期に治療を開始すると管理期間が4年以上かかることも多く、その間に適宜必要な装置や治療を行うことで2期治療の必要がなくなることも多いので、そのような長期的管理が必要な小児矯正において1年半という期間は短すぎるのです。

インビザラインファーストでは治せない難症例

インビザラインファーストで難しい症例でも治せます!と記載されている先生もいらっしゃいますが、取り外し式の装置であるがゆえに治療の限界があります。

その最たる例が埋伏歯です。

埋伏歯は永久歯への交換のトラブルとなるため、小児矯正に特有のトラブルとなります。埋伏歯は適切なタイミングで治療を開始しないと永久歯が使用できなくなることも多く、どのような治療計画を立てるのか診断が重要となります。

このような埋伏歯の治療はかなり長期間に渡り、途中で装置を作り替えたりなど治療が難しい症例です。

インビザラインファーストで治せるような歯のガタガタや出っ歯は極端にいえば後からでも治せる軽微な問題です。

医学的に矯正治療が必要である、このような難症例にはインビザラインファーストでは治せないのです。

逆にいうと、軽微な問題であればインビザラインファーストでももちろん治りますし、他の装置でも治りますし、大人になってからでも治るということです。

 

矯正専門歯科がインビザラインファーストを第一選択にしない理由

インターネットで「インビザラインファースト」を強くお勧めしている歯科医院を検索してみてください。

ほとんどの歯科医院が、矯正専門ではなくむし歯治療やインプラント治療も行う一般歯科だと思います。

それは矯正歯科専門であれば従来通りの方法で確実に治療できる技術と経験があり、目新しい費用のかかる装置を選択する必要がないからです。

非常勤の先生が矯正治療を担当していたり、セミナーを受けてこれなら取り入れられそうとインビザラインファーストを口火に矯正治療を取り入れる先生が強くお勧めされている印象を受けています。

インビザラインの仕入れ値を下げるために、多くの歯科医院が頑張って症例数を増やそうと努力をされていますし、そのおかげで患者さんの支払う費用も安くしてくれています。

最終的な治療結果よりも、見えないことや取り外せる装置という治療過程にを強い希望がある方は、そのような先生の元で治療を受けられた方がいいと思っているので当院でもインビザラインファーストが治療の第一選択になることはまずありません。

 

インビザラインファーストでもきちんと使えば治ります

歯並びが元々そこまで悪くないようなお子さんであれば、従来のような装置でも、インビザラインファーストでもほぼ確実に治ります。

インビザラインファーストをされる場合は、きちんとお話を聞き納得したうえで治療を受けていただけたらと思います。

当院でもインビザラインファーストによる治療は可能ですが、1年半しかできないことをきちんと理解していただき、費用もインビザラインファースト以外の矯正治療よりも10万円~20万円程度追加費用がかかります。

 

合理的な判断が重要

将棋の藤井聡太さんが、茨木市に新しくできた「おにくる」に来られていました。

写真を拝見すると、藤井聡太さんも小臼歯と呼ばれる大人の歯を抜歯してワイヤー矯正をされていますね。

ここで重要なポイントがあります。

「子供からやれば歯を抜かずに済む」

「子供からやれば負担がなく日常生活に支障がない」

「みえない装置なら他の人にばれずに安心」

もし上記メリットが合理的なのであれば藤井聡太さんのような方であれば、そのような選択をされると思いませんか?

「大人になってから」

「歯を抜いて」

「見えるワイヤ-矯正」

を選択されているところからも、非常に合理的な判断をされる方だと感じました。

誰もかれもがインビザラインファーストのような治療が最適であるとは限りません。

場合によっては藤井聡太さんのような選択が合理的で良い選択であることもあるのです。

 

「他院で断られた症例も当院では治療できます」の真相

患者自身がインビザラインファーストで治療を行いたい場合、何件か矯正歯科に相談に行くとうちではインビザラインファーストじゃないほうが良いと思うと言われ、一般歯科に行くとインビザラインファーストでうちではしっかり治せますよと言われるケースがかなり多いと思います。

インビザラインを取り扱う先生のスキルはピンキリです。
「無知の知」という意識が全くないため起こっているトラブルによくよく遭遇します。

つまり、この症例がインビザラインファーストではうまくいかない理由があるから矯正歯科で否定していることにすら気づけないレベルの先生か、難しいことを踏まえた上で治療が可能と言い切れる高い技術をもった先生かに分かれます。特に矯正に携わったことのない一般歯科医がコンサルティング会社から経験不要の「新しいビジネスモデル」として提案され導入しているケースには特に注意が必要です。

矯正医が非常勤の雇われの先生の場合、その医院の院長の方針でインビザラインファーストの契約数を稼ぎたいから、どんな症例でもインビザラインファーストで説明せざるを得ないと言われる同業の矯正医の先生も沢山いらっしゃいます。こういった先生は、インビザラインファーストじゃないほうがよいとわかっていながらその医院で雇われている以上院長の方針に従わざるを得ないことがあるのです。

「矯正のことをあまりわかってない院長がインビザラインファーストで治療できるって言ってしまったから、インビザラインファーストでやらないといけない・・・」のような葛藤の中治療をしている先生も多いのです。

非常勤の先生を雇用する場合、一般的なむし歯治療ができる先生と、矯正専門の先生では給料が大きく異なります。

院長が矯正のことを理解しているのであれば、自分で矯正を行い、むし歯治療を非常勤の先生に任せた方が明らかに費用対効果が高いので、非常勤の矯正の先生など雇う必要がないわけです。

 

矯正医が退職してしまうトラブルも

矯正医が決まった曜日だけ非常勤で勤務している場合や、院長とは別の矯正医が常勤で矯正治療を行っている場合には気を付けないといけないことがあります。

それは「矯正医の退職」です。

男性の歯科医師の場合、30代~40代にかけてほとんどの歯科医師が自分のクリニックを持ち開業していきます。

非常勤矯正医の給料は良いため、開業前の資金が必要な若い歯科医師がその役割を担うことが多いです。

そのため、開業に伴い「矯正医の退職」がよく起こります。

女性の歯科医師の場合は、開業は男性歯科医師ほど多くはありませんが、ライフステージの変化やパートナーの転勤に伴う転居といった理由で「退職」となることも多いです。

上記のような「退職」理由だけでなく、院長と矯正医、矯正医とスタッフ間のトラブルで矯正医が辞めていくことも多いです。

実際にはこれが一番多い理由かもしれません。

・無理やりインビザラインやインビザラインファーストで矯正治療を強いられる

・ノルマがあり、カウンセリングにおいて矯正治療の契約させることを強要される

・矯正治療のことがわかっていない院長から、無理な矯正治療を依頼される

・スタッフがコロコロ変わるため、そのクリニックでの矯正治療が円滑に周らない

・最初はよかったが院長やスタッフとの性格の不一致

のような理由が挙げられます。

矯正を専門とする歯科医師の数は多くはなく、狭い世界です。

毎月のように、〇〇クリニックの矯正医が退職したので緊急で矯正医を探していますが、だれか知り合いでいませんか?と連絡がくることからも、多くの歯科医院が「矯正医の退職」で困っているのだなと感じます。

同じ診療方針の「矯正医」が継続して見てくれていれば、きちんと歯並びは改善していくと思います。

「矯正医」の退職によって先生が変わると治療方針が大きく変わり、治療期間が大幅に変更となったり、当初話を聞いていた治療内容と変わってしまうこともあります。

当院のような院長が矯正医の場合は退職の問題は基本的にはないと思いますが、その院長とずっと付き合っていかないといけないというデメリットもあります。非常勤矯正医が複数名在籍しているようなクリニックも多く、自分にあった矯正医に途中で変更することが可能であるというようなメリットもあるため、色々な状況を考慮して矯正歯科を選んで頂けたらと思います。

 

 

お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。

茨木・高槻の矯正歯科専門医院

みやの矯正・小児歯科クリニック

大阪府茨木市別院町4-15 別院町・掛谷第6ビル

 

 

 

Junichi Miyano

みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木)

院長宮野 純一

Junichi Miyano

2006.3
大阪星光学院高等学校卒業
2012.3
大阪大学歯学部卒業
2020.8
みやの矯正・小児歯科クリニック開院

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