2024.11.05
こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。
以前に6歳臼歯(第一大臼歯)の埋伏についてお話させていただきたきました。こちらのブログを参照してください。
今回は12歳臼歯(第二大臼歯)の埋伏についてのお話です。歯が適切な時期に生えてこず、埋まってしまうことを埋伏と言います。
12歳臼歯は第二大臼歯と呼ばれる大きな奥歯のことですが、12歳ころに生えてくることから12歳臼歯と呼ばれています。
上顎と下顎の12歳臼歯は、埋伏の仕方も違っていることが多いため、診断のポイントも変わってきます。
上顎の奥歯は多くの場合、手前の歯と反対側へ向いていることが多いです。
反対に、下顎の奥歯は多くの場合、手前の歯に倒れ掛かるように(突き刺さるように)傾斜していることが多いです。
下の写真は上顎が外に向いて埋伏(赤矢印)、下顎が手前に傾斜するように埋伏(青矢印)している例です。
一つ目の大きなポイントしてあげられるのが左右差です。
反対側が生えてきているのにもう反対側が深い位置に埋まっている場合は、要注意です。
個人差があるとはいえ、12歳臼歯が14.15歳になっても生えてきていないと、単純に生え変わりが遅いだけではなく、何か問題が起きていないのかきちんと専門医にみてもらうことをお勧めします。
歯の形成は、歯の頭が先に作られ、その後歯の根っこが順番にできていきます。その根っこができる過程で歯の萌出力(歯がはえる力)が生じるので、歯の根っこがほぼ完成しているのに埋まっている歯は自然と生えてこれないことが多く、牽引処置が必要です。
歯の根っこがまだできていない場合は、生え変わりがゆっくりであると判断できることが多いですが、右の写真ように、歯の根っこの形成が起こっているのに埋まっている場合は、牽引処置が必要となることが多いです。
上記①から③の診断のポイントは非常に大切ですが、CTを撮影したとしても埋伏と確定診断することが難しいことがあります。その場合は自然萌出の可能性もあるため、経過観察することが多いです。半年や1年など経過観察後に再度レントゲン撮影を行い、明らかな位置変化があれば萌出傾向があるとしてそのまま経過観察を続けることもありますが、変化を認めない場合は埋伏と診断し、牽引処置や場合によっては抜歯処置を行う可能性が高くなります。
特に上顎の奥歯はレントゲンでは構造物が重なり、不鮮明になってしまいわかりにくいことがあります。12歳臼歯が生えてくるのが遅い場合に、こちらの写真のように過剰歯などの異物が埋まっている可能性もあるため、注意が必要です。
歯の根っこの形態異常があり、湾曲が強いと自然に萌出が難しい場合があります。
場合によっては12歳臼歯の抜歯が必要になります。
他の歯が代わりに使用できる場合や、どうやっても使用が難しい位置関係の場合に抜歯になってしまうことが多いです。
後方の余地が少なく埋伏している場合は、後方のゆとりをつくるために親知らずの抜歯が必要なことがあります。
深く埋まっている歯に器具を付けないといけないため、外科処置になります。
親知らずが邪魔をしていない場合や、後方のゆとりに問題がない場合は親知らずの抜歯の必要はありません。
12歳臼歯が生えてきていないことに気づかれておらず、大きなトラブルになってから来院される方もいらっしゃいます。12歳臼歯のトラブルが気づきにくい要因として、仕上げ磨きを卒業してる方がほとんどの年齢になってきていること、思春期でお子さんとコミュニケーションがなかなかとりにくくなること、他の歯がきれいに並んでいるとそもそも歯が生えてくるものだという認識がないことなどが挙げられます。
クリーニングなどでかかりつけ医を受診している方はそういった問題点も早期に見つけてもらえることが多いため、小学校高学年から中高生も、きちんと定期的な歯科の受診を行ってください。
治療例についてはこちらのブログも参照してください。
お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。
茨木だけでなく、吹田や箕面、高槻からもご来院いただいております。
みやの矯正・小児歯科クリニック
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みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木)
院長宮野 純一Junichi Miyano