2024.12.03
こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。
今回は小臼歯埋伏に関する治療例についてまとめています。
上顎犬歯の埋伏や上顎前歯の埋伏に関しては、以前に書いたこちらのブログやこちらのブログも参照してください。
12歳臼歯埋伏の治療例に関しては、以前に書いたこちらのブログやこちらのブログも参照してください。
埋伏歯の診断はレントゲンが非常に大切となります。
レントゲンの見るべきポイント・注意点として
①小臼歯の向きや位置が正常の位置に比べて異なる
②小臼歯の見え方が左右で異なる
③小臼歯の位置が明らかにおかしい
が挙げられます。
通常永久歯は生え変わる乳歯の真下にまっすぐ位置しており、永久歯が乳歯を押し出すようにはえてきます。永久歯の位置がずれていたり、いがんでおり乳歯の真下にいない場合、うまく生え変わらず小臼歯が埋伏してしまう場合があるため注意が必要です。
左右差も大きなポイントとなります。反対側が生えてきているのにもう反対側が深い位置に埋まっている場合は、要注意です。
このような明らかな位置異常は埋伏の中でもかなり珍しく、処置も抜歯以外打つ手がほとんどありません。口腔外科にて全身麻酔での処置でも抜歯が難しい場合もあります。
小臼歯の埋伏の治療方法として
①乳歯を抜歯して経過観察
②小臼歯の牽引手術
③埋伏小臼歯の抜歯
のいずれかとなります。
乳歯を抜歯すると、埋伏傾向のあった永久歯がきちんと生えてくる場合があります。場合によっては早期に乳歯の抜歯を行う必要がある場合は、永久歯のはえてくるスペースがなくなってしまうことで埋伏してしまうことがありますので状況によってはリンガルアーチといった保隙装置を使用します。
乳歯の抜歯だけでは生えてこない位置関係の場合は、牽引手術が必要となります。術前にCT撮影を行い、牽引が必要かどうか、券を行うのであればどの向きに引いていくのかなど検討することとなります。
牽引手術は本人の協力性が得られない場合は、全身麻酔での処置のことや、場合によっては経過観察せざるをえない場合もあります。
牽引手術を試みてもアンキローシス(骨性癒着)が起こり歯が動かない場合は、牽引手術を途中で中断し抜歯手術が適応となる場合があります。明らかに位置異常が顕著であり正しい場所まで牽引するためには労力がかかりすぎる場合や、元々スペース不足が顕著であり抜歯適応である場合は埋まってしまっている歯を抜歯することが多いです。
隣在歯の近接や、埋伏位置が深い場合に埋伏歯の抜歯手術がハイリスクな場合があります。そのような時は隣在歯を抜歯しスペースを確保し、埋伏歯を牽引してくる場合もあります。
小臼歯が生えてきていないことに気づかれておらず、大きなトラブルになってから来院される方もいらっしゃいます。小臼歯埋伏のトラブルが気づきにくい要因として、仕上げ磨きを卒業してる方が多くなってきていること、思春期でお子さんとコミュニケーションがなかなかとりにくくなること、他の歯がきれいに並んでいるとそもそも歯が生えてくるものだという認識がないことなどが挙げられます。
クリーニングなどでかかりつけ医を受診している方はそういった問題点も早期に見つけてもらえることが多いため、小学校高学年から中高生も、きちんと定期的な歯科の受診を行ってください。
埋伏歯の治療に関してはケースバイケースで判断しないといけない場合が多いため、しっかりとご相談いただけたらと思います。
お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。
みやの矯正・小児歯科クリニック
大阪府茨木市別院町4-15 別院町・掛谷第6ビル
みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木)
院長宮野 純一Junichi Miyano