2024.11.05
こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。
当院では矯正に入る前や、矯正が必要かどうか判断するために検査が最も重要であると考えています。
それは成人や小学生だけでなく、3歳から6歳にあたる、幼稚園児・保育園児・未就学児といったいわゆる幼児においても検査は重要です。今回は、矯正の検査で最も重要であるセファロ分析についてお話したいと思います。
頭部X線規格写真のことをセファロと呼びます。簡単にいうと、どの歯医者さんで撮影しても同じ規格で撮影できますよという写真の撮り方です。1931年にブロードベント(Broadbent)によって発表されて以来、矯正治療を行う前にはこの写真を撮影することが大原則となっています。顎の大きさやズレ、歯の傾斜などを診査します。世界的にみても矯正治療をこの検査なしにすすめていくことはありえないといっても過言ではありません。今回は下の画像にもあるように横向きのセファロについてお話していきます。セファロのレントゲン写真にマーキングし、線を引き、長さや角度を測ることをセファロ分析といいます。
Sella:トルコ鞍の陰影像の中心
Porion:外耳道上縁
Nasion:鼻骨全前頭縫合の最前点
Orbitale:眼窩骨縁の最下点
PT:正円孔の翼口蓋窩後壁への出口の下縁
Basion:後頭骨の大後頭孔を形成する部分の前下縁
Gonion:下顎後縁平面と下顎下縁平面との交点のなす角の二等分線が下顎骨縁と交わる点
Apoint:前鼻棘と歯槽縁間の正中矢状断面上の最深点
Bpoint:下顎結合部の前縁と歯槽縁間の正中矢状断面上の最深点
Pogonion:下顎骨オトガイ隆起部の再突出点
Gnathion:Nasion-Pogonion平面 と下顎下縁平面となす角の二等分線がオトガイ隆起前縁と交わる点
Menton:下顎結合部の正中矢状断面上の最下方点
ANS:前鼻棘の尖端
PNS:後鼻棘の尖端
上記は計測ポイントのごく一部ですが、様々なポイントを計測することで後述する分析を行うための準備を行います。
セファロ分析のやり方は一つではありません。かなり多くの数があり、メジャーな分析のやり方には分析を作った先生の名前がついていることが多いようです。具体的に列挙すると
・Downs法
・Northwestern法
・Tweed法
・Steiner法
・Wits法
・Sassouni法
・Jaraback法
・Ricketts法
など挙げればきりがないくらいの分析法があります。
一つの分析で全てを把握することは困難であるため、1931年にセファロが開発されこれだけの期間が経ってもいくつもの分析が淘汰されずに、今なお使用されています。
例えば骨格性反対咬合(受け口)と診断される場合、上記に列挙した8つの分析すべてで骨格性反対咬合(受け口)であると診断されることはほとんどありません。それはそれぞれの分析においてみるポイントが違うからです。ではどのような分析をして骨格性反対咬合(受け口)と判断するのかというと、DownsやNorthwestern分析では骨格性反対咬合(受け口)ではないと診断されているが、SteinerやRicketts分析では骨格性反対咬合(受け口)と診断されているなどといったことを、複合的にみて診断する必要があります。これらの分析方法をそれぞれ習熟し理解することは容易ではなく、それがきちんとでき、診断へ活かせる歯科医師が矯正医であるといえるでしょう。
必ず必要です。
これをしないと正確な診断ができず、適切な治療方法が選択できません。どうしても泣いてしまってレントゲン撮影ができないお子さんは矯正治療が開始できないということになります。やみくもに矯正器具を入れることは矯正治療ではありません。根拠に基づいた治療方法の提案が医療であり、矯正治療です。
動いていると正確なマーキングができず診断ができないことは想像しやすいかと思います。
きちんと噛んでいないレントゲンで診断を行うと、顎の位置が普段と違うため異なる診断結果となってしまいます。
レントゲン撮影を行っても、こういった診断ができないレントゲンになってしまった場合は再度撮影させていただくこととなります。なかにはレントゲンなどの検査を受けている我が子を見るとかわいそうだと感じる方もいらっしゃいます。しかし治療をするためには検査が必要となるため、当院で治療を行う場合はその点をご理解いただきたいと思います。
お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。
茨木だけでなく、北摂エリアからお越しいただいております。
みやの矯正・小児歯科クリニック
大阪府茨木市別院町4-15 別院町・掛谷第6ビル1F
みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木)
院長宮野 純一Junichi Miyano