2024.11.05
こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。
今回はブラックトライアングルについてのお話です。聞きなれない言葉かもしれませんが、特に大人の方の矯正治療と大きく関わってきます。
隣接する2本の歯と歯茎の間にできる三角形の隙間のことをブラックトライアングルと呼びます。陰になって黒い三角形のように見えるため、このような呼び方をします。専門的には下部鼓形空隙(かぶこけいくうげき)と呼びます。
最も大きな問題は見た目が悪く感じてしまう点です。その他にも物が挟まりやすい、発音するときに空気が漏れた感じがするといった問題が起こることもあります。
加齢変化としてブラックトライアングルは自然な現象であり、医学的な問題があるわけではなく病気ではありません。
先述している通り、ブラックトライアングルが起こる最も大きな原因です。歯の形や、歯茎の質(バイオタイプ)、歯ブラシの仕方や、歯間ブラシの使い方によっても大きく変わってくるため、30代でブラックトライアングルが顕著な方もいれば、60代でもブラックトライアングルがない方もいらっしゃいます。
咬合性外傷とは、かみ合わせが原因で口の中や周囲の組織を傷ついている状態のことを言います。良くないかみ合わせや過度な力が持続的にかかってしまうせいで、局所的に歯を支えている骨と歯茎が下がり、ブラックトライアングルが目立ってしまいます。
歯並びを改善する、いわゆる矯正治療でブラックトライアングルが出来てしまうことは、基本的には避けられません。
元々歯並びがガタガタのいわゆる叢生という状態の場合、ガタガタに歯が並んでいるおかげで歯と歯の間の歯茎も重なって隙間が目立たないことが多いです。これを矯正治療を行い、歯を正しい位置に並べることで歯と歯の間隔が広がり、ブラックトライアングルが目立つようになってしまいます。
小学生などの低年齢になればなるほど、矯正治療による歯並びの改善後も歯肉退縮が起こりにくく、ブラックトライアングルも起こりにくいです。
一方で、成人はもちろん高校生でも、年齢が上がれば上がるほど、歯並びの改善後にブラックトライアングルが出現しやすくなります。
ブラックトライアングルになりやすいかどうかは、歯の形によっても大きくかわります。
歯が四角い形のスクエア型・方形型の場合は比較的ブラックトライアングルは起こりにくいです。一方で歯が三角形の形をしているテーパード型やビア樽型の場合などはブラックトライアングルが目立ちやすいことがあります。
一般的には男性は角張った四角い形をしており、女性は丸みを帯びた形をしています。
基本的には、ブラックトライアングルは避けられないため、治療開始前にブラックトライアングルが起こりすい部位について、事前にイメージしておくことが非常に大切です。
矯正的な対応策としては、歯の形の調整をする以外、できることはありません。歯と歯の間を少しだけ磨き、歯の形をできるだけ四角いスクエアの形にすることで、ブラックトライアングルの部分を小さくすることが可能ですが、歯を磨き形態を変えるにも限界があるため、これですべてが解決するわけではありません。(赤い部分を削ります。IPRやストリッピング、ディスキングと呼ばれます。IPRに関してはこちらを参照してください。)
矯正治療が終了後、歯茎を移植し、退縮した歯肉を改善する方法があります。
非常に難しい手技になるため、当院では治療できません。歯周病が専門の先生でも成功率が高くない場合もあるため、移植が可能なのかどうかは専門医へ受診していただき、ご相談いただくようになります。
基本的には大人になってからだと、矯正治療はできませんということはありません。
しかし、小児期から治療を行う場合と大人になってから治療を行う場合で治療結果や治療の安定性が異なることもあります。今回記載したブラックトライアングルの出現は、矯正治療に伴う大きなデメリットの一つであり、大人になってから矯正治療を開始した場合に顕著に問題となるポイントです。
お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。
茨木だけでなく、吹田や箕面、高槻からもご来院いただいております。
みやの矯正・小児歯科クリニック
大阪府茨木市別院町4-15 別院町・掛谷第6ビル1F
みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木)
院長宮野 純一Junichi Miyano