2024.11.05
こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。
今回は上顎前歯の埋伏について説明します。
上の前歯は見た目の問題からも把握しやすいため、保護者の方から
「歯が生えるスペースがないようにみえる」
「歯がなかなか生えてこないのですが・・・」
といったことをよくご相談されます。
永久歯の交換はかなり個人差があるので、特に問題がない場合もあります。しかし、それはお口の中を見ただけではわからず、パノラマレントゲン写真を撮影し、見えない箇所の歯の状態を精査する必要があります。
上顎前歯以外の問題に関しては別のブログなどを参照していただけたらと思います。
生え変わりには個人差がありますが、通常6歳~7歳で生えてくる前歯が8歳や9歳になっても生えてきていないと、単純に生え変わりが遅いだけではなく、何か問題が起きていないのかきちんと専門医にみてもらうことをお勧めします。
ただし、全体的に生え変わりがゆっくりである場合は特に問題ないことも多いです。前歯だけ局所的に生え変わりが遅い場合に処置が必要になることがあります。
次の大きなポイントしてあげられるのが左右差です。反対側が生えてきているのにもう反対側が埋まっている場合は、要注意です。
上顎の前歯はレントゲンでは首の骨などの構造物が重なり、不鮮明になってしまいわかりにくいことがあります。前歯の萌出を阻害する原因として、こちらの写真のように過剰歯などの異物が埋まっている可能性もあるため注意が必要です。(黄色が永久歯の前歯、赤色が過剰歯)
歯の向きが手前に向いていたり(青が左上の問題ない前歯、黄色が前方に傾斜して埋まっている右上の前歯)、
横に向いていたりすると(青が左上の問題ない前歯、黄色が手前に傾斜して埋まっている右上の前歯)、歯の萌出がうまくいかない場合があります。
歯の頭が先に形成され、その後歯の根っこが順番にできていきます。その根っこができる過程で歯の萌出力(歯がはえる力)が生じるので、歯の根っこがほぼ完成しているのに埋まっている歯は自然と生えてこれないことが多く、牽引処置が必要となることがあります。
次の写真では、 青が左上の問題ない前歯、黄色が埋まっている右上の前歯ですが、歯の根っこの形成が正常な歯に比べるとゆっくりであるため、今後まだ自然と生えてくる可能性があります。
次の写真では、青が右上の問題ない前歯、黄色が埋まっている左上の前歯ですが、歯の根っこの形成が完成に近づいているのに埋まってしまっている場合は、牽引処置が必要となることがあります。
歯の形成度合いは外からの見た目ではわからないので、レントゲン写真を撮る必要があります。また時間経過とともに歯の位置変化が起こっているかも重要なポイントとなりますので、定期的なレントゲン写真撮影を行い、経過をみていくことが大切です。
スペース不足が原因である場合はスペース不足の改善を、過剰歯や歯牙腫が原因の場合は摘出を行い、原因除去を行います。
それでも自然な萌出が期待できない場合は、最終的には埋まっている歯を引っ張り出してくる必要があり、埋伏歯の牽引治療といいます。埋まっている歯の深さにもよりますが、基本的にはいわゆる手術による器具の装着とその後の矯正治療が必要となります。
前歯が生えてこないことにきづいていながらもそのままにしており、結果として大きなトラブルになってから来院される方もいらっしゃいます。クリーニングなどでかかりつけ医を受診している方はそういった問題点も早期に見つけてもらえることが多いため、小学校のお子様もきちんと定期的な歯科の受診を行っていただけたらと思います。
お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。
茨木、高槻他北摂エリアからご来院いただいております。
みやの矯正・小児歯科クリニック
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みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木)
院長宮野 純一Junichi Miyano